年末なので内省的になった*1結果できたエントリです。生暖かい視点でご覧ください。
正味作業
とは、作業全体のうち「価値を付与することに貢献した部分」のことである。
これはトヨタ生産方式に含まれる諸概念の内の一つだ。
例
これは「ボールペンに対しキャップをはめる」という作業を例に、どこが正味作業
でどこが正味作業では無いものかを説明した図です。
※ 引用: http://www.chusanren.or.jp/jms/pdf/jms_combook_sample6.pdf
1978年に出版された書籍: トヨタ生産方式
では、次のように説明されていた。
- これからは低成長の時代である。
- だから原価を減らさねば利益は出ない。
- そのためには正味作業以外のものをとことん無くしていく必要がある。
そのためのシステムが、「在庫量*2を制約するカンバン
」であり、「意思決定を自動化する自働化
」であり、「非ピークタイム時の"待ち"が発生しないようにする平準化
」である。
この総稼働時間に占める正味作業時間の割合を増やそうとする
というアプローチは、製造現場において大変有効であることが分かり、爆発的に普及し、
製造現場を超えてさまざまな領域に適用された。たとえばソフトウェア開発手法であるアジャイル
を形作る源流の一つとなった。
なるほど、チームの人数が増えるにしたがってコミュニケーションパスが指数関数的に増え、規模の拡大=リスク
とも言えるソフトウェア開発において、この考え方は有効だろう。規模の拡大に強い制約がある状態で産み出せる価値の量を増やす事ができるアプローチだからだ。*3
「規模(総稼働時間)の拡大に強い制約があるケース」についてどんな実例があるか考えていたところ、その一つに 人生 があげられるのでは無いだろうか。というアイディアが浮かんだ。
寿命はアンコントローラブルである。2倍、3倍に伸ばすことなど出来ない。
人生においてコントローラブルなのはその内容だけである。
人生を改善する方法は、その正味作業が占める割合を増やすことしか無いのではないか。
このエントリを書いている時間は人生の正味作業なのか。あの人と会う時間は人生の正味作業時間なのか。会議をしている時間はどうか。あのホットコーヒーを飲んでる時間はどうか。あの本を読んでいる時間はどうか。
そういう視点で自分の行動を点検して無駄を省いていくという事が、今の自分には徹底して不足していると気づいた。
また、何が正味作業なのかを定義するためには何が価値なのか
を定義しなければいけない。自分にとって人生の価値とはなんなのか。という問いが発生した。
(以上です。オチはありません。)