昔、ある先輩マネージャーが教えてくれた興味深い話がある。
ある作業の計画を立てる場合に 「「納期」を優先して計画を立てる」 「「工期」を優先して計画を立てる」 という2つの考え方があるという話である。
2つの計画の立て方
納期優先
- 先に「この日までに完成させる」という「納期」を設定する。
- その後、ではそのためには何をすれば良いか? という考えを出発点にして計画を立てる。
工期優先
- 「これを完成させるには、AとBとCの作業で合計何日間必要」という見積もりを元に「工期」を設定する。
- 完成する時期は所与の条件として、戦略を立てる。
当然、納期優先で計画を立てれば計画の失敗リスクは高まる。
しかし、工期優先で計画を立てれば削れるはずの無駄な作業も含まれてしまうかもしれない。
なので、この両方の視点をもちつつ「今回はどちらに重点をおくか」と言うのをケースバイケースで判断していく必要があると思う。
危険なのは、納期優先で計画しているのに「今回は、リスクを取って納期優先で進めているんだ」という認識が欠けていたり、あるいは逆に工期優先で計画しているのに、それと意識せずに進めている場合である。
「今どっちを重視しているのか」は常に認識を持っておきたい。
余談
この記事では「工期」という単語を「タスクの完了までに必要なサブタスクを洗い出した上で、必要な期間を見積もって、バッファを加えたもの(≒普通に作業した場合に作業完了までにかかる期間)」という意味で使っている。
しかし、「工期」ってそういう意味だったろうか。辞書で軽く調べるとどうも意味が違うようだ。とにかくこの記事では上に書いたような意味で「工期」という単語を使っている。