「目的に縛られずに無駄なことをやる」
ここから先、しばらくの間、「目的に縛られずに無駄な事をやる」というのをやって行きたい
と思う。具体的には何に使えるのかハッキリしない技術をちょこっと試してみたりと言うのを趣味として積極的にやっていこうと思う。
「まだ役に立つかどうかハッキリしない技術
」というのは「役に立たない技術
」とは全く違う
。先のことは予測するのが難しいから価値がハッキリしていないだけである。
仕事では、目的を達するための手段として技術を使いたい。 だから、趣味として目的に縛られずに色々やっていこうと言うのが今考えている。それは長期的に見ると仕事の助けにもなりそうだと考えている。
発端
ある日こんなツイートが流れてきた。
slack-redir.netよく「天才のやり方は再現性がない」って言うけど、そんなことない。観察してると、ほとんどの天才はライフワークとして小さいジャブや謎の小作品を大量産して、普通の人がやらない範囲まで実験と失敗して知見を貯めてる。アウトプットだけだと、謎思考でジャンプしてるように見えるだけ。
— 深津 貴之 (@fladdict) July 12, 2017
僕が尊敬(というか畏怖)しているエンジニアの方が、このツイートを見て共感を示した上で、「目的に縛られずに無駄なことをやろう
」とつぶやいていたのが結構長いこと印象に残っている。
何かの役に立つのかわからない、小さな技術的な試みや実験の類が蓄積して、ノウハウに転化するのだと。
企業も似ている
自分がいくつかのデータ分析プロジェクト、特にKPIの設計などに携わる上で感じたことがある。
それは、投資に対して、「短期的な価値は予測(定量化)しやすい
」のに対して「長期的な価値は予測(定量化)しにくい
」という事だ。
※ ここでは「投資」はお金だけじゃなくて、人とか時間とか設備とかの投資を含めた意味で使っている。以降も同じ
例えば、
- 事業における投資について、既存事業への投資はリターンを予測しやすいが、新規事業へのリターンは予測しにくい。とか。
- 研究開発では、生産設備研究への投資は原価削減効果としてすぐ現れるが、イノベーションのための研究はどのくらいの収益に結びつくのか予測しにくい、とか。
- ソフトウェア開発の現場で、新機能の追加が売上に与える影響は予測しやすいが、コードリファクタリングによる可読性の向上はどう収益に結びつくのか予測しにくい。とか
もちろん、新規常業への投資も、イノベーションのための研究も、コードリファクタリングも、長期的に見れば収益を生み得る。予測が難しいだけである。
にもかかわらず、定量的に予測可能な範囲でだけ投資先を決めてしまうと、「長期的に見ると最適では無くなる」という事が起きるのでは無いだろうか。
それにどう対処すべきか
予測可能な短期への投資をしなければ、そもそも長期的に存続できない。 そして、予測できない長期にも投資しなければ長期的に見て最適とは言えない。
思いつく対処策として、「投資可能なリソースの内一定枠を長期投資に回す」と言うのが有り得そうだ。その枠の中では、短期的な収益を目指さなくても良い事にする事で予測困難なものに対して投資が行える。
投資可能なりソースを、
- 時分割で長期に配分すると: Googleにかつてあったと言う20%ルールや、freeeの「巨匠」制度 ( http://type.jp/et/feature/1468 )
- 組織で分割して長期に配分すると: 大企業がもつ「基礎研究所」という組織
になるのかなと。
最初の話しに戻る
目先に役に立つ事しかやっていないと、長期的に見て良くない気がしたので、あえてすぐには役に立たない事を練習していこう。